築年数は不明の民家(茅葺屋根の農家のことで、俗称では古民家)の改修工事。
解体してみると二回の増築を経ている痕跡があり、今回は内部仕上げと設備の刷新・間取りの変更が目的の改修となる。
度重なる改修を経ていたため、床レベルの異なる部屋が多く、まずは床をそろえるところから始まる。
玄関土間・和室・DKと、ばらばらだった床高さをそろえて一室になったLDKを玄関から見たところ。
ここは増築を繰り返した北側の下屋で、上屋(茅葺きに金属屋根を被せている)の軒下に低く差し込まれている。
そのため天井高さが低く、グラスウール断熱材を充填しつつ垂木下寸法を極限まで少なくしている。
LDKから南側の和室を見たところ。
南側の和室は唯一、民家の素材のまま雰囲気を残している。
玄関土間の作り付け下駄箱が見えている。
壁・天井共にビニールクロス貼り仕上げ。床は桧フローリング張り。
LDKに面した、子供用の勉強コーナー。
LDKの床レベルに一度フローリングを張った上に、カウンターの椅子兼収納のベンチを製作した。
個のベンチは、床が高い和室への階段の一部でもある。
キッチンの向きを90度変えて、前の壁はタイル張り。
梁型が出るため、吊戸棚は大工と建具屋による製作となった。
納戸には棚とハンガーパイプを設置している。
唯一昔の雰囲気を残している和室の建具は障子を張り替え、天井を白のクロス貼りとして、明るくなった。
玄関の土間はコンクリートを打ち換えた。
もう一つの和室は書斎に造り替え、書院と床の間に昔の面影が残っている。
内部の造り替えと同じくらい重要な工事として、サッシの全交換を行った。
アルミ製の単板ガラスサッシは、全てペアガラス入りのアルミと樹脂複合サッシに取り換えている。
玄関の外には柱を建てて玄関庇を設け、広くした土間コンクリートを覆っている。
Before