㈱アイランドプロファイル製「Nドア」の施工記録。
このドア枠には固定のための金具などが何もない。
ドア本体と枠の合計重量は75kgある。
製造会社のホームページにある参考納まり図にも固定の方法が載っていなかった。
問い合わせたところ、具体的な方法は施工会社に任せているとのこと。
そこで、ステンレスアングル25×25×1.5×2000とステンレスビスΦ5で固定することとした。
ステンレス製のトラスタッピングビスでアングルを固定した様子。
枠厚が薄いところで30mmなので枠側のビスはL:25、躯体側はダイライトMSを貫通するのでL:45を使っている。
固定が完了したところ。
吊元の上側に荷重が集中するので、ビスを増し打ちした。
この後、ブチルテープで防水する。(菅沼)
外壁下地の様子。
構造用面材の上に透湿防水紙を張り、木摺り(7×40×1820・杉)で押さえている。
外壁材は杉板の縦張りであるため、横胴縁が必要となり、通気の目的で木摺りを縦に張っている。
ここから先は施主施工となる。
室内側から見ると、ダイライトMSが見える。
22条・23条地域であり、杉板の外壁を採用するなら、この仕様となる。
この状態で施主施工に引き継ぐ。
製作出窓の様子。
ダイライトMSの上に外から貼り付けるような構造である。(菅沼)
屋根葺きの記録。
カラーガルバリウム鋼板による心木無し瓦棒葺きが行われている。
この葺き方は、ガルバリウム鋼板を板金職が自分の工場で折ることが可能である。
棟から軒先まで水勾配を横切る継手が無いので、防水の弱点が少ない。
部分吊り子が固定されている様子。
棟の部分を手でかしめている。
軒先はこのようにつぶす形状にすることが多い。
軒先が直線になるので、キャップをかぶせるよりもすっきりと見える。(菅沼)
上棟の記録。
平屋建てなので軸組材は少な目である。
8:00、作業を開始する。
厚24mm捨て貼り合板を敷くための、根太45×60の設置から始まる。
捨て貼り合板を仮置きして、柱を立てる。
横架材を組む。
垂木を掛ける。
組み上がった垂木を見上げる。
幣串は野地板が張り上がってくるまでの1時間くらい、飾る。
軒先・ケラバの部材を取り付け、野地板を張る。
今回は軒天井材を下から張り上げず、化粧野地板を張って仕上げとする。
横架材は全て千葉県産材の杉である。
これは「地域型住宅グリーン化事業」の補助金を受けるため、構造材の50%以上に県産材を使うことが条件になっているからである。
補助金制度を使う条件は「高度省エネ型(認定低炭素住宅)」である。
梁には米松を使うことが多いのだが、久し振りに真新しい杉の梁を見た。
上棟前日の様子。
土台と大引きが敷かれている。
土台敷きから上棟日までに雨が予想されたので、床捨て貼り合板は張っていない。
上棟当日の最初に敷く予定とした。
基礎内部に溜まった雨水を乾湿両用集塵機で吸い出しているところ。
上棟前日には外部足場が組み立てられた。
道路から2m近く上がった地盤に平屋建ての住宅が建つ。(菅沼)
現場が変われば生コン会社も変わる。
もちろん、練り混ぜから打設までの時間制限があるからだ。
ここは市原市の海岸近くにある生コン工場で、4週強度の圧縮試験の立ち合いに行った時の様子。
大きな工場だ。
目を引くのはやはりこのベルトコンベアの斜めのパイプである。
工場に届いた砂利を貯蔵庫へ運ぶベルトコンベアの横に試験室があった。
整然とした試験室の様子と、供試体を水中封かん養生するプールの様子。
試験結果を書く黒板が液晶画面だった。(菅沼)
基礎コンクリート打設の様子。
ますは自主受け入れ検査から。
ポンプ車・ミキサー車共に打設準備が完了している。
スランプ・空気量・塩化物量・温度を測定し、供試体を6体採取する。
外周部一体打ちの場合は、外周部下のコンクリートから打設する。
次に中央部を打設し、最後に外周部立ち上がりを打設すると、内側型枠下からあふれ出る生コンの量が幾分抑えられる。
後日、型枠を外した様子。
内部打設に備えて型枠を設置している。
内部立ち上がりも打設・型枠解体が終わった。
きれいな基礎が完成した。(菅沼)
瑕疵担保責任保険の配筋検査の様子。
建築確認に関する検査は、現在は民間検査会社に依頼することがほとんどである。
瑕疵担保責任保険の検査も同じ検査会社に依頼すると、完了検査などは建築確認と保険の両方が同時に出来る。
外周部立ち上がりを一体で打つために、基礎内側に浮かして取り付けられた型枠兼断熱材のスタイロエースⅡ。固定の方法に工夫がある。
セパレーターによる持ち出し固定の様子。
断熱材の継手には生コンの漏れ防止のためにテープが張られている。(菅沼)
これは9月中旬の様子。
今年の9月は雨が多く、土工事が思うように進まなかった。
まずは地縄に沿って、遣り方。
根伐の途中で数日間雨が降った。
きれいに根伐することが出来ないので、残土処理ぐらいしか進まない。
根伐・砕石転圧・捨コン・墨出し・防湿シート敷設、ようやく組まれた鉄筋。
作業のし易さから、外周型枠は配筋作業後に組む。
外周の立ち上がりを耐圧版と同時に打設するため、基礎内断熱のスタイロエースⅡを浮き型枠として固定している様子。
この状態で瑕疵担保責任保険の配筋検査を受ける。(菅沼)
この土地がある一帯には上水道がなく、井戸水を生活用水として利用している。
掘削のための道具が並べられた様子。
写真左上が掘削のための道具。右奥に地表近くに挿入する塩ビパイプケーシングが見える。
写真右上は、掘削するロッドの先端の刃。溶接で何度も補修されているのが分かる。
左下はロッドの上下と回転を行うエンジン。
右下は掘削に使う水の送りと汲み出しのポンプ。
時間の都合で残念ながら翌日の掘削作業に立ち会えなかった。
上図は標準貫入試験の説明図だが、井戸掘削もこのような感じだろうと想像する。
掘削作業は70m近い深さなのだが、1日で完了した。
3日目にはポンプが設置され、地下水が取り出せた。
8m以上ある深井戸であるため、ポンプは圧力で押し出す「ジェットポンプ」である。
(説明のため、上記の図はポンプメーカーから拝借しました。)
井戸の位置を道路から最も遠くに設定したため、この作業は基礎工事の前に行わなくてはならない。
また、工事中の仮設水道もこの井戸水である。
掘削に必要な水は幸い隣家から調達できる環境にあったが、何もなければトラックで運搬してくる。(菅沼)
施主が自ら製作した模型。
当事務所の基本設計通りに出来上がっている。
これは今年の2月の打ち合わせの時の写真。
庭のイメージまで読み取れる。
実際にこの角度から見るにはドローンを使う必要がある。
前面道路から見るとこれに近い角度になるはず。
この家は施主のDIYによって仕上げられる予定である。
施主のイメージはしっかりと出来上がっているはずだ。(菅沼)
先日「市原の家」の地鎮祭が執り行われました。
各種申請が完了するまでの長い期間に、雑草を根っこから抜いて整地された敷地です。
ご夫妻の猛暑の中の作業を想像すると頭が下がります。
長い時間をお待ちいただきました。
ようやく始まります。(森山)
着工前に現地で行う最初の作業は地盤調査です。
ここは前面道路から2mほど高くなった造成地です。
近くの電柱には08-05という記載があること、2005年頃の航空写真では傾斜地として撮影されていることなどから、造成は2008年頃に行われた可能性があります。
写真はロッドを自ら引き抜く施主。
10m以上も土中に入ったロッドを引き抜くのは大変です。
ロッドに付いた土から、見えない地下の様子を想像します。(森山)