外壁の漆喰塗りの記録。
通気ラスでのモルタル下地作りは初めてだったので、通常よりも不陸があった。
そこで、漆喰に珪砂を混ぜて下塗りを行った。
珪砂入りの漆喰を練っているところ。
かなり固めの練り具合である。
これをこすり付けるように下塗りして、乾く前に仕上げる。
下塗りが完了した様子。
仕上用の漆喰を練っている様子。
こちらはトロトロの状態にしている。
仕上げの漆喰は薄く延ばして塗られていく。
乾く前の漆喰は幾分黄色味がある。
乾くと真っ白になる。(菅沼)
『勝浦の別荘』では、外壁の上半分を漆喰塗りとしている。
左官下地の作り方にはいろいろな方法が考えられるが、ここでは㈱ニッケンビルドの「通気ラス」を採用した。
通気ラスを施工した様子。
ラス網の奥に付いているのは、油紙のような撥水製のある紙でコーティングされたアスファルトフェルトである。
コーナーや水切りの上には念のためアスファルトフェルトを追加している。
ラス網と裏紙の様子が分かる。
尺5寸間に取り付けた胴縁だが、更にその間に面木を貼り付けている様子。
通気ラスは裏側に「ラス下地」に相当するものが無いため、たわみ防止の目的でこの補助胴縁が必要になる。
この隙間が通気層になり、更に雨水の漏水を防ぐ効果も期待できる。
Φ1.6mmの力骨をΦ1.4mm×脚25mmのステープルで止めている様子。
出来れば肩が丸いステープルを使用するのが良いようだ。
このステープルだと力骨を押し付け過ぎているためか、周囲を逆に盛り上げてしまう。
3’×6'版のサイズのまま足場の上に運び上げるため、施工は複数の作業員で行った方が単独作業よりもはるかに効率が良いと思われる。(菅沼)
「勝浦の別荘」では平面・高さ共に大きな吹き抜けがある。
吹き抜けに設けた仮設の足場の支え。
下から見上げるとこのようになっている。
上から見るとこうなっている。
端部の拡大写真。
2'×4'材の端部にビス留め痕が見える。
ボードを張る前までは受け材に留まっていた名残である。
ボードを張り、更にクロス張りまでこの足場を残存させるためには、柱から逃げたこのような位置に最初から反対側を梁に留め付けておく必要がある。
これは私がここまで指示をした訳ではなく、担当大工職の配慮に依るものである。
この隙間を利用してクロスを通し、仕上げまで利用出来る仮設足場となっている。(菅沼)
板張り外壁のシーリングが完了した。
アルミサッシのダークブラウンより塗装した板は若干赤味があるが、シーリング剤はサッシに合わせて既製品のダークブラウン色とした。
色を調合したものは、補修時に同じ色合いを出すのに苦労することが予想される。
また、板は紫外線でいずれは変色する。
これがシーリングのセット。
2成分型変性シリコン系シーリング剤、横浜ゴムのハマタイト・スーパーⅡである。
最初に塗布するプライマーNo.18。
主剤の接着性を向上させるのが目的である。
マスキングの様子。
この状態でまずプライマーを塗布しておき、主剤の準備に取り掛かる。
これが主剤。
2成分型の一つ、硬化剤。
これを主剤に入れることで硬化が始まる。
ダークブラウン色にするための着色剤。
硬化剤と着色剤が主剤に投入された。
攪拌機で練り混ぜられている様子。
今日は日中でも寒く、粘度が高い感じだった。
吹き抜けの天井を張るときには脚立では手が届かない。
現場の状況に応じて仮設足場が必要になる。
ここでは根太材を梁に渡して合板を張っている。
手前は2階床からの仮設渡り廊下。
吹き抜け上部用の仮設足場の裏側が見える。
根太に使っているのはSPF2’×4’×14f。
屋根断熱の様子。
見えている仮床は天井施工後に全て撤去される。
杉の羽目板を天井材として張るので、接着剤を効かせるために赤松30×40を垂木下端に取り付けている。(菅沼)
外壁施工の様子。
あらかじめ塗装した12×180×3640の杉板を30mmずつ重ねてよろい張りとしている。
塗料は初めて採用した「キシラデコール コンゾラン」。
水性なのでDIYでも扱いやすい。
造膜タイプの塗料だが、このように木目が分かる。
釘は50mmのステンレススクリュー釘。
これの釘打ち機用ロール釘は近所の金物店やホームセンターでは置いておらず、ネット注文で手に入れている。
重なりのすぐ上に打ち込み2枚を貫通させないことで、どこか1枚だけの交換にも対応できる。(菅沼)
『勝浦の別荘」の特定工程中間検査と瑕疵担保責任保険の躯体検査が同時に行われました。
特定工程中間検査は、建築主が個人ではなく法人であるために必要との事。
検査内容は瑕疵担保責任保険とほぼ重複します。
左に見えるのは屋根の断熱材です。
今日の風はすごかった!外壁の杉板を室内で塗装しました。(森山)
上棟後、約1週間後の様子。
屋根にはゴムアスルーフィングが敷かれ、外壁にはダイライトの上にソフトタイベックが張られている。
1階内部の様子。
ダイライトの裏側が見える。
掃き出しサッシの上の間柱にはカーテンレール用の下地欠き込みが施されているのが分かる。
サッシ取付を待つばかりの状態になっている。
透湿防水紙を外壁の下地に使うのは、現代の木造住宅ではほぼ常識となっている。
私がデュポン社製のソフトタイベックを採用しているのは、破れに対しての強度が強いという経験から来ている。
このデュポン社の歴史は古い。
先日放送されたNHK「新・映像の世紀(第2回)」を見るまで、このメーカーの歴史を意識することなど無かった。
火薬(弾薬)製造で成長した、アメリカ合衆国の巨大財閥である。
私が所有している登山用の服やザックの生地でもデュポン製が多い。(菅沼)
※NHK「新・映像の世紀」ホームページの「1920年、大量消費の時代がやってきた」(クリックすると音声が出ます)で上述の映像が見られます。
「勝浦の別荘」昨日の上棟の記録。
一年で最も日が短い時期なので、いつもより増員して作業に臨んだ。
その甲斐あって、予定通り野地板まで完了した。
屋根の上からは、2階からは見えない太平洋がわずかに見えた。(菅沼)
昨日の雨で基礎内部に溜まった水を排水しながら進めた、今日の土台敷きの様子。
水平面が出来ると、いつもの上棟のイメージが湧いてきた。
これは、『勝浦の別荘』の近くの道路から撮影した太平洋。
車で走っていると一瞬海が見える。(菅沼)
埋め戻しが完了し、地形が元に戻った現場。
資材が片付き、まるで最初からこうだったかのような静けさが戻った。
今日は上棟前の土台敷きに備えて、基礎天端に土台の墨が打たれた。(菅沼)
打設から7日が経ち、型枠を解体した現場の様子。
1週強度は呼び強度20程度まで出ており、順調に硬化が進んでいる。
姿を現したばかりの基礎コンクリート。
パネコートで仕上がった表面。
上棟時のレッカー車の設置に備えて、カーポートの概略の形を掘削した。
型枠の積み込みにちょうどいい段差が出来た。
これは地中に埋まる基礎コンクリートに塗布する防水剤。
コンクリートに2~6mm染み込んで防水層を作るということになっている。
地下室を作るわけではないが、床下の防湿に少しでも貢献することを期待して選択した。(菅沼)
今日の悪天候を1週間前から予想して、工程をなんとか1日早めて昨日行われた生コン打設の様子。
立ち上がり高さが1400mmあるため、型枠の上を歩けるように足場板が設置されている。
足場板が単管で支えられている様子。
打設開始。
立ち上がりのほぼ全部が見え掛りとなる北側から打ち始める。
外側の型枠をゴムハンマーで叩いて平滑な表面仕上げを得る。
生コンを流し込んでいる様子。
この日の測定結果は、スランプ19cm、空気量4.2%だった。
空気量で表される微小な空隙は、流動性と耐凍性を向上させるため、AE剤の混和によって作り出される。
生コンにバイブレーターを入れると気泡が浮いてくることでその存在が確認できる。
外側の型枠を設置するために耐圧版は立ち上がり面より50mm外側まで作られている。
写真は型枠の下側から染み出している生コン。
これは、わずかだが土中に埋まる。(菅沼)
前日まで2日間の雨だったので、打設も延期せざるを得なかった。
他社の現場も同じだったようで、生コンプラントはミキサー車のやりくりが大変なようだ。
この別荘地は「工事は午前9時から開始すること」という決まりがある。
よって、作業車は9時まで待機している。
基礎立ち上がりが1400mmあるため、立ち上がり外周を一度に打設することは出来ない。
この日は耐圧版のみの打設となる。
スランプは16cm、空気量は4.1%。
打設開始まで待ち時間があったためだろうか、スランプは計画よりも少な目だった。
土に埋まる基礎なので、打ち継ぎ部には止水板を入れた。(菅沼)
今日は「勝浦の別荘」の配筋検査でした。まずは境界確認と配置の確認です。
ここから見ると普通の基礎ですが・・
中に入ると耐圧版から1400の立上りがあります。
人通口の補強筋も入って合格。
鉄筋は全てD13,耐圧版、立上りとも@200。
来週は耐圧版の生コン打設です。(森山)
泥岩掘削の様子。
この泥岩はうっすらと青い色に見え、この辺りでは青岩と呼ばれている。
房総半島は泥岩の半島である。
掘削は爪付きのバケットで引っ掻くように行われる。
パリパリと飛び散りながら崩れていく。
これがバケットに付いている爪。
根伐り底を踏んだ感じでは、砕石が不要なほどの強度がある。(菅沼)
この別荘エリアでは、音の出る工事は9:00-17:00に限定されている。
土日祝日の工事は出来ない。
まずは不要な樹木の伐採から始める。
次の土工事は、上部の基礎から始めるか、手前の駐車場から始めるか、思案中である。(菅沼)
高低差を残した造成地での建設が始まった。
敷地の最も高いところで、道路から3mほど上がっている。
造成されて30年近く経つと聞いている。
ここが盛土なのか切り土なのか、手元に情報が無い。
スウェーデン式サウンディングが始まった。
すぐに硬い層にぶつかった。
右は貫入が止まって引き上げたスクリューポイントの先端。
貫入したのはわずか17cm、ここは泥岩を削った土地だった。
穴掘り用の複式スコップで垂直に穴を掘る。
芝生が生えている25cmほどの黒い表土を抜けると、灰色の泥岩が崩れて出てきた。
地盤の強度への不安が消えたのはいいのだが、根伐り作業の困難さが心配になるほどの結果だった。(菅沼)