これは施主から届いた写真。
新型コロナウィルス感染拡大により在宅勤務となった施主から、自宅のセルフメンテナンスの報告を頂いた。
竣工から6年という時間が経った杉板の外壁の再塗装を施主自ら行い、仕上がった様子。
シルバーグレーの再塗装で、当初よりも濃い色になったのが伺え、より引き締まった印象となった。
脚立で塗装出来る様にと考えて、1階の玄関周りだけを木製外壁としている。
こちらは施主自作の新作ベッド。
自作ダブルベッドの簡単なポンチ絵を竣工直後にお渡ししたのを記憶しているのだが、そこから応用しての自作シングルベッドである。
ステイン塗装の色合いや、ヘッドボードの裏側に間接照明を仕込む辺り、施主のセンスが光る。
ともすれば閉塞感に悩まされがちな在宅勤務という生活に、家のメンテナンスと家具製作で新鮮な気分を吹き込んでいる様子が伝わってくる。
放置している自宅の手入れを私もやってみようかなと思う。
(菅沼)
施工事例「一宮の家」
『一宮の家』から、ウッドデッキをDIYで増設したいというメールが来た。
施主のDIY力の大幅な成長を考えると、図面だけでも十分出来てしまうだろうと思われた。
そこで、前回の濡れ縁の図面に手を加えて返信した。
これがその図面。
しばらく経って訪れてみると・・・
見事に出来上がっていた。
それだけでなく・・・
なんと最初に製作した濡れ縁とつながっていて、回遊できる家になっていた。
これには子供たちも大喜びだ。(菅沼)
「一宮の家」カーポートのコンクリート工事が今日から始まりました。
ちっちゃい監督がMyダンプカーを2つ持って走ってきました。
現場があるから保育園なんて行ってられません!
最近事務所で話題になったのが「施主によって西日についてはっきり好みが分かれる」という事。
西日による暑さと家の中のモノの日焼けを避けるプランになったり
逆に西日を積極的に入れるプランになったり。
久しぶりに訪れた「一宮の家」はドラセナの木が植えられていました。
「2階に上がっていくと西日が差し込んできれいなんですよ」と奥様。
施主自らこつこつ作っていった外構も馴染んで愛着を感じます。
DIYで製作したSPF製ベンチの仕上がりの様子。
一度組んだベンチを分解してサンダー掛けし、水性ステインを塗布して再度組み直した。
面取りは家具の雰囲気を変える。
このベンチが出来たことで、子供たちがここで勉強するようになったとのこと。
やはり生活を支えているのは家具である。
次はこのカウンターの下に書類を突っ込めるような吊り下げ式の棚を取り付けることだそうだ。
工作で作った本棚の塗装。これもホームセンターで普通に手に入る水性ステインによる。
基材が白い木材なら赤も良く発色する。
漆喰の壁の前に置くと赤が映える。(菅沼)
初DIYの記録。
今回の課題はこのベンチだ。
このベンチは対面キッチンのカウンターで使うことを目的としている。
使う材料はSPF2’×4’のみ。
木工ビスは65mmと75mm。
使う電動工具は、スライド丸のこ・インパクトドライバー。
カウンターの高さからベンチの高さ400mmを決めた。
あぐらをかくことも出来るようにと、上面の幅は500mm近い寸法である。
朝、近所のホームセンターに行って材料を購入する。
今回は濡れ縁の材料も一緒に購入したので、結構な量の材料だ。
SPF材はツルツルした表面で、この程度の傾きでも滑り落ちてくる。
運搬途中で抜け落ちないように、荷造りには細心の注意を払う。
材料を置く台(馬)と作業台があると、このような感じでセッティングできる。
道具は施主の家に保管してあった物で、今回は錆びた刃だけ交換した。
材料を寸法通りに切断した後の、DIY女子によるビス留め作業の様子。
丸のこを使っての切断作業は、危険を伴う難しい作業である。
注意点やコツなどはyoutubeに沢山アップロードされている。
夕方に組み上がったベンチ。
今回は初めてのDIYということで、とりあえず組み上げた。
もう一度バラして、仕上げサンダーで研磨し塗装を施すことを想定している。
所定の位置に置いてみた。
図面では脚のぐらつきを抑える目的で斜めの補強材が書き込まれているが、こうして実際に座ってみると、補強が無くてもぐらつきはほとんど感じられなかった。
よって、補強材は省略とした。
これだけでも結構な重量がある。
予定通りの安定感が感じられた。(菅沼)
DIYの外構工事で使われた砂利の様子。
先日運んだ砂利は施主の手でこのような感じに敷き詰められた。
事前に50mmほど土をすき取り、防草シートを敷いている。
庭に見えている芝生も施主が敷き詰めた。
こちらは玄関までのアプローチ。
3つに切断した枕木はJR西日本で使われていたもの。
この砂利は粒度・色ともに揃っていて、骨材用の砂利とは感じが違う。
奥に見える芝は種から撒いて育ったもの。
あっという間に緑の絨毯になった。
こうした外構工事の効果は大きく、雰囲気を劇的に変える。(菅沼)
引っ越し直前の日の夜景。
家に求められる基本的な機能は、風雨を遮ることと外敵の侵入を防ぐことと考えられる。
夜、明かりが灯っている家を見ると、そんなことを思い出したりするのだ。(菅沼)
私が初めて間近に見る作業シリーズ。
掘削の前日に行われたカッター入れ。
横断掘削が行われたところ。
これは既存のU字側溝に枡を入れる「割り込み」という作業の様子。
これが困難な作業であることは、見ていればわかる。
他の作業に比べて、多くの体力と時間を要しているように見えた。
右下に写っているのがトライポッドという三角形のグレーチングである。
三点支持なので、カタつくことがない。
全てが地面の下に納まった。
通行止めは1日、9:00~16:00の作業だった。(菅沼)
道路に埋め込まれる側溝の断面。
これは車が載らないU字側溝の断面寸法を測定している様子である。
250×250のU字溝も実はこれだけの厚みがあり、切断のために横倒しにするのも苦労するほど重い。
これは道路を横断するU字溝の断面。
2mの長さで約600kgの重さがある。
埋まってしまえばこれほどの体積があることは分からなくなる。
このような器具を使って、慣れた職方によって手際よく並べられていく。(菅沼)
町道を横断するU字溝の設置に関わる本復旧の様子。
この土木工事に立ち会って感じたのは、これは明らかに「野丁場」だということである。「町場」と呼ばれる木造住宅生産の現場とは明らかに違う空気なのだ。
これを管理するには、元請と下請が緊密な関係にあり、その中に馴染んだ監督がいるというのが必要条件になる。監督の指示なくして現場は動かない。
「監督」という職能の名称は、こうした職場のためにある。
これに対して町場の監督は、実はどこまで必要とされているのだろうか。
私のわずかなゼネコン現場経験を振り返ってみても、野丁場の監督に匹敵する町場の監督はほとんど存在しない。未だに自虐的な気分になってしまう。
現場監督と言う職業は、現場で行われる作業を熟知し、人間関係をコントロールし、すべてを俯瞰する視点で先を読まなくては務まらない。
その曖昧さが、人間としての総合力を試してくる。(菅沼)
横滑り出し窓にプリーツ(アコーディオン)網戸を取付ました。
窓を開けるときに外へとび出すタイプの窓の場合は固定式の網戸,またはプリーツ網戸の選択となります。他に縦滑り出し窓やルーバー窓なども同様です。
写真はプリーツ網戸を半分閉めたときの様子。全開にすると左側に収まります。
黒色の網戸はそれほど景色を害さないとは言われていますが、違いは明らかです。
景色の良い窓には多少高価でもプリーツ網戸を選択したいところです。(光治)
「一宮の家」の一コマ。
なかなかいい感じの光に気が付いた。
気が付いた、と言うのは、設計段階でここまで読めていないから。
全ての壁の漆喰を施主が塗り遂げた。
その中でもこの階段室はかなり広い面積の漆喰が広がる。
伸縮脚立と板を使って足場を組み、上下に移動しながらの左官作業であった。
結果はこの通り、微妙な揺らぎが何とも言えない質感を醸し出す、素晴らしい壁面になった。(菅沼)
最新のアルミサッシの内観。
これは「一宮の家」の北側外観で、一般の人が通行する道から良く見える角度である。
このアルミサッシは、従来の製品よりもアルミの枠が細く、引違いではない種類の小型の装飾窓は内部から見た時にアルミの框が全く見えない納まりになっている。
横滑り出し窓の内観はこのように見える。
従来のアルミサッシと比べて、すっきりとした印象である。
low-eペアガラスの縁に取り付けてあるアルミ型材がとても細い。
ガラスの交換が町のガラス屋さんでは出来ずにメーカー直の工事となるのが難点であるが、ガラスが割れる可能性の程度を考えればさほどのデメリットでもなかろう。
窓付近の納まりは昔から設計者の腕の見せ所であるが、アルミサッシそのもののデザインはメーカーの物を受け入れるしかない。
木製建具が持つ質感や形態の自由さは魅力なのだが、気密性・断熱性・耐久性を含めた総合的な費用対効果を考えると外部建具にはアルミサッシ・樹脂サッシを採用すべきだという結論に達することが大半である。
木造であることがはっきりと分かる設計の住宅では、アルミサッシと家とを上手く馴染ませることはとても難しいと感じる。
このような「存在を消す」という方向に向かう理由の一つがそこにもあるのだろう。
(写真のサッシは LIXIL:サーモスH)(菅沼)
「一宮の家」に設置されたカウンター材の様子。
居間から見るとこのカウンターはかなり存在感がある。
その周辺の空気を決定するのが、このS字曲線なのだ。
実は、このS字曲線の加工は結構難しい。
出隅側のR加工は、丸ノコと仕上げサンダーで比較的楽に加工できる。
問題は入隅側のR加工である。
糸鋸でも使えれば下ごしらえも楽だろうが、私がやるとすればジグソーで大まかな形を作り、ひたすら仕上げサンダーの角を使って丸く削る方法になるだろう。
ベルトサンダーの丸いローラーの部分を使ってもいいかもしれない。
この写真の部分には不自然な部分が全くなく、完璧な加工である。(菅沼)
「一宮の家」のアルミサッシには、一部に装飾を目的とした木製のモールを取り付けている。
遠くからでも良く見える西側と北側に木製モールを取り付けたのは、立面に表情を与えたかったというのが目的である。
ガラス障子の細いアルミ枠と幅90mmの木製モールの組合わせで、木製建具のような感じが出たのではないかと思う。
木製モールの材料は、越井木材(株)のスーパーサーモ(アカシア)である。
この製品は、木と炭の中間のような性質の木材である。
上部には板金職による水切りを取り付け、下部の枠はサッシよりも引っ込めて雨水を受けないようにしている。
サッシ周りには念のためのシーリングを施している。
ガルバリウム鋼板の外壁に塗布されたシルバー塗装と、アルミサッシのアルミ色ヘアラインの組み合わせでは、こうした木製の材料が効果的に使用できたと感じられた。(菅沼)
完成間近の「一宮の家」の様子。
これは、施主の実家に置いてあった欄間障子を再利用して作った行燈。
中にLED電球の光源が入っている。
夕暮れ時に照明を消して行燈を灯してみると、こんな感じである。(菅沼)
完成間近の「一宮の家」で、帰り際に2階の照明をすべて消したときに出現した光。
吹き抜けを通して1階の光が2階に到達する様子は、図面を書いているときには想像していなかった。
大きな行燈(あんどん)のようである。(菅沼)
アルミバルコニーと木の板の組み合わせ。
横に張った板をアルミの支柱に直接ビス留めせずに縦方向の木を挟んでいます。
性質の違うアルミと木をしっかりと固定するためにこのような工法にしています。(光治)
玄関の外部タイル貼りの様子。
どのような仕上げ工事でも、下地の出来不出来は仕上がりの質に直結する。
タイル工事では、良い割り付けが出来なければ美しい仕上がりは期待できない。
写真のタイル下地製作工程は、DIYでの作業を考えるとかなり高いハードルになるだろう。私自身もやったことがない。
写真の2段階で盛られているモルタルは、水セメント比が異なっている。
タイル割から算出した寸法までモルタルを土間コンクリートに盛り付ける。
モルタルは定規で完全な平面に均される。
使い込まれた道具はよく整備されており、準備に無駄なものがない。
私はこの道具の配置にプロ意識を感じる。(菅沼)
壁を貫通する電気配線や換気扇のダクトなどの防水処理の様子。
外壁を張る前、防水紙の段階で伸縮するブチルゴムテープで防水します。
各管は外へ向かって少し傾けています。水平か逆の勾配だと建物側に水を寄せてしまい、雨漏りの原因になります。
右下の写真は太陽光発電の配線で屋根から建物に引き込んでいます。
伝う雨水が管の途中で切れるように管を下方に膨らませ、上に向かって引き込んでいます。
微妙ですが、非常に重要な工程です。(光治)
「一宮の家」ソーラーパネルの設置の様子です。
南側にまったく障害物がない好条件の家です。
ソーラー発電設備は「ソーラーフロンティア」私たち所員3名で施工しています。(郁子)
床の仕上は杉の縁甲板張りです。
杉は木材の中では柔らかい方で触れた感じが温かみがあって心地良いのですが、非常に傷が付きやすい木でもあります。
床材には不向きと思われ勝ちですが、最近はよく使われます。
下の写真は5年ぐらい経った杉の縁甲板。(ノーメンテの状態)
白太の柔らかい所がへこんだり、削れたりして節が浮き出てきます。
よく見ると傷が無数にありますが、節や年輪が濃く写りあまり気にならないと思います。
傷の付きづらい硬い床材はたくさんありますが、全く傷の付かない床材はありません。
傷が付いても気にせず経年変化だと割り切れれば、杉は非常に親しみを感じられる床材だと思います。(光治)
巾6寸の杉の板を縦方向に張って継ぎ目に押縁を被せる工法です。
この工法のメリットは、
・横張りと比較して、板の繊維方向と平行に雨水が流れ、縦方向の継ぎ手も少ないので、雨水の切れが良い。
・本実(ほんざね)や相じゃくりの板で問題になる、板幅方向の変形による実の外れが、構造的に起こりえない。
・板の部分的な交換は本実では難しいが、傷んだ板だけの交換が容易に出来る。
などです。
材に染み込むタイプ(含浸系)の外部木部用塗料で塗装した様子。
古くなった木の色をイメージして塗料の色はシルバーグレー。
節の硬い所には染みこまず、やわらかい白太の部分に染みこんで感じ良く色の濃淡が出ます。
施主自ら塗装を施している様子。
初めて外壁に塗装するときは「自分でやってもいいの?」と最初は緊張するものですが、徐々に慣れてきて、自信をもって塗れるようになります。
縦張り板の塗装なので上下の移動が多く体も疲れますが、どんどん変化していく家の外観を遠くから何度も確認してしまいます。
真新しい無垢板が落ち着いた色になり、家の印象が一変しました。(光治)
家の断熱性能・気密性能を上げると家の中の空気が汚れ、健康被害の原因となります。
そのため平成15年にシックハウス法が施行され、24時間換気が義務化されました。
換気量は0.5回/h。家中の空気を2時間に1回入れ替える量となります。
この法に従い24時間換気扇を回しっ放しにすると、外気温と室内の温度差が大きい場合は大変なエネルギーのロスとなってしまいます。
今回導入の換気システムはシックハウス法を満たすことの他に2つの目的を持たせています。
「省エネ性能の向上」と「ヒートショックの緩和」です。
複雑で大げさな装置に見えますが、仕組みは簡単で、汚れた空気を各室からアルミダクトでチャンバーに集め、熱交換を行ってから排気します。新鮮な外気は熱交換器で熱を受け取り、床下に供給されます。
各部屋、便所、廊下など家中どこでも大体同じ気温になるよう計画的に空気と熱を循環させます。
チャンバー・熱交換器は夏も冬も比較的温度差の少ない床下に設置することで効率を上げています。
排気する室内の汚れた空気と取入れる新鮮な外気を熱交換する装置。
全熱交換機。
熱(顕熱)だけでなく、湿気(潜熱)も交換します。
熱交換率は90%で換気によるエネルギーのロスを抑えます。
窓を閉めて冷暖房が必要な時は給気と排気を同時に行い、春や秋、夏の夜など外気との温度差が少ないときは排気のみに切り替わり、装置の消費電力を抑えています。
毎年1万人以上、ヒートショックが原因で亡くなられているそうです。
耐震性に関する法律は改正に改正が重ねられ充実していますが、温熱環境に関しては各施工会社や設計者の判断に委ねられているのが現状です。省エネ性能と同時に安全な温熱環境の計画の必要性を感じます。
今後もこういった換気装置は積極的に提案していこうと思っています。(光治)
今回使用した断熱材、高性能グラスウール。
壁面は厚さ85mm、夏期に熱損失の大きい天井面は厚さ155mmを使用しました。
天井の勾配なりに施工しているところ。
同時に防湿シートも張っていきます。
防湿シートは結露を防止します。
天井断熱材の上には通気層を設けています。
屋根面で熱せられた空気が天井にこもるのを防ぎます。
熱を持った空気はこの通気層を通り、換気棟から排出されます。
天井面に敷き詰められた断熱材。非常に丁寧に施工されています。
性能の高い断熱材を使えば断熱性能が上がるかといえばそうでもなく、丁寧な施工が大きく影響します。
(光治)
板金の手工具の続き。
縦ハゼ葺きを瓦棒葺きの材料で葺くと瓦棒の幅の分が無くなるため、ハゼの部分が45mmずつ垂木からずれていく。ハゼの部分で下地に固定される葺き方なので、野地板のみで固定する方法も可能なのだが、軒天井を張らない場合は野地板が厚くない限りビスが貫通して見えてしまう。
そのため、ハゼが垂木からずれないようにするには、1尺5寸ピッチに配列されている垂木にビスで固定できるような大きめの幅の既製品を採用する。
写真はその既製品の縦ハゼ部分を切断する工具である。
太陽光発電パネルをハゼつかみ金具で載せる予定のこの家では、ビスピッチを
「垂木固定 L:45@455」 あるいは 「野地板固定 L:25@303」 とする必要がある。
ここでは垂木に固定するのだが、野地板固定にも対応できる 「L:25@303」 を採用している。(菅沼)
一つの作業に一つの専門工具が必要となる板金工事では、独特の工具が存在する。
板金作業の多くが屋根や外部足場の上で行われるために、意識して見ない限り知らないまま通り過ぎてしまう。
これは長い距離を直角に曲げる際に通すローラーの曲げ器。
万能折り曲げ器というらしい。
手に持つと重量感がある。
ここの現場で採用していた屋根葺き材が既製の縦ハゼ葺きで、ケラバの一枚だけはこれで折り曲げる必要があったのだろう。(菅沼)
サッシの取付が終わり、外壁を張る準備、外壁下地の施工を進めています。
透湿防水シートの上に胴縁を取り付けているところ。
縦の胴縁は通気胴縁で厚さは7mm。通気を取るために取付ます。
横の胴縁は外壁を取り付けるビスや釘の下地になるものです。厚さは24mmです。
釘やビスが貫通して透湿防水シートを傷を付けるのを防ぐため通常より厚めにしています。(光治)
屋根材の搬入。
屋根の流れ方向に継ぎ目がないのでとにかく長い。
ガルバリウム鋼板縦ハゼ葺き。
立ち上がっている部分を被せながら敷き並べていきます。
板の厚さは0.4mm。
色は「銀黒」。
下屋用の換気棟。
屋根の温まった空気を排出する装置。
軒先に唐草を取り付けたところ。
雨水を切り、きれいに落とす役割をします。
縦ハゼ葺きは構造上、緩勾配でも漏水しにくい、また非常に軽いので耐震上も有利な屋根といえます。
(光治)
消費税増税の影響で3ヶ月以上前の予約で工事の延期が出来ないとのことで、
工程的には2週間ぐらい早いのですが、断熱材とサッシの取り付けを先行して
ユニットバスの施工を行いました。
この工事はメーカー指定の専門業者の施工となります。
浴槽、床を支える架台の設置。
断熱材で覆われた浴槽。
ゆりかごのようなデザインです。
壁パネルを支えるフレームの設置。
フレームは建物の壁には固定せず、ほぼユニットバス単独で自立させる構造になっています。
完了。
コーキングが乾くまで約1日出入り禁止です。
(光治)
上棟後、屋根工事を進めながら、構造強度に関わる部分の施工を行なっています。
筋違いを使った耐力壁。
筋違いプレートと呼ばれる金物で補強します。
構造用合板を使った耐力壁。
釘のピッチ、太さ、本数は基準法の規則に従います。
柱頭柱脚金物。
地震時の柱の引き抜きの力に抵抗する金物。
計算から導いた値により、取り付ける場所、形状が異なります。
同じく柱頭柱脚金物。
発砲ウレタンで羽子板ボルトの座彫りを埋めます。
穴からの隙間風とボルトの結露を防止します。
軒を見上げる。
ほぼこのまま、化粧野地仕上げとなります。
(光治)
下屋の下地の様子。
胴差(この家には通し柱がないのだが、2階床外周の梁について「胴差」と呼んでいる)から下へ垂木を伸ばして付いている屋根を下屋と呼ぶ。
この下屋があると、2階の外部足場を先行して掛けることが出来ない。
このようにルーフィングまで行えば足場を掛けることが出来るようになる。
下屋の屋根材を葺いてから外部足場を二度掛けすれば、屋根工事はやり易い。
その場合は、屋根工事は上屋と同時に出来なくなる。(菅沼)
上棟後の養生の様子。
大工さんは上棟後に続けて入れるとは限らない。
週末の雨に備えて、少しでも構造材を濡らさないようにシートで養生を行った。
完全な防水を期待することは無理だが、何もしないよりは良いだろう。
下屋があるとシート張りは難しい。(菅沼)
何もなかったところに突如、家の骨格が建つ上棟。
施主にとってはじめて自分の家を実感する格別な日です。
ご家族が一日見守る中、工事は順調にそして無事に目標まで完成しました。
高いところが苦手(?)のご主人が足場の上に登ったり、「ちっちゃい監督」はマイクレーン車持参で、家族の嬉しい気持ちと期待を沢山感じました。
22日の朝は何もなかった風景と夕方の様子です。(郁子)
基礎工事の最後、基礎天端を水平かつ平滑に仕上る工程です。
セルフレべリング材を使用しています。
モルタルはセメントに砂を混ぜますが、セルフレベリング材は砂よりも細かい粒子が混ざっています。
水に溶かして攪拌しているところ。
水平に広がっていかなければならないので結構やわらかめに練ります。
コンクリートの打設後、表面の水が引くのを待って、
1cm以下の厚さで基礎の天端に流していきます。
(光治)
現場で使い切れずに工場へ持ち帰ってもらった生コンは、どうなっているのだろうか。
左の写真はその処理の様子である。
丁度1立米ほどの鋼製型枠に余った生コンは入れられる。
型枠が一杯になるまで注ぎ足される。
この巨大なサイコロは土木の現場で利用されている。
(\2,000/個で鴨川生コン大多喜工場内で販売中)
右の写真は、圧縮試験に使われた供試体の残骸である。
これは花壇作りなどに利用する目的で、小学校などに引き取られたりしている。
工場の敷地内にある事務所の試験室の様子。
まず圧縮試験機が目に入る。
水中封かん養生中の供試体の水槽が見える。
現場採取用の試験用具が並んでいる。
これを軽トラックに積んで、現場での受け入れ検査が行われる。
公的試験機関での試験とは行政上の扱いが異なるが、当事務所ではこの自主検査は必要なことと考えて、実施している。(菅沼)
出荷を終えた生コン車のミキサーは、すぐに洗浄しなければ内部に付着したコンクリートが固化してしまう。
この洗浄時に出る廃棄物はどうなるのだろうか。
左の写真で、樋の中にミキサー内部の洗浄水を、ミキサーを逆回転させて流す。
骨材とセメント混じりの水をまず分離するのだ。
右の写真で、右側のドラムは回転しながら、流れ込んできた骨材入りセメント水を水と骨材に分離する。
粗骨材と細骨材はこの時に同時に分離される。
左側の建物の下にある山は、最終的には廃棄されるセメントの残渣である。
左の写真は分離された粗骨材と細骨材である。
これは再利用される。
右の写真は、セメント混じりの水が回収される水槽である。
左の写真ははセメント混じりの水を撹拌する装置と水中ポンプである。
左側の建物内でセメントを漉し分けて、水は回収されて洗浄に再利用される。
右の写真の左側に回収された水が写っている。
漉し取られたセメント残渣は、分離されたものの中でこれのみ産業廃棄物として埋立地に廃棄される。
混ぜ合わせたものはこのように分離されていた。(菅沼)
ところで、生コンはどのようなところで作られ、出荷されているのだろうか。
「一宮の家」の基礎に使われているコンクリートの出荷元は、この「鴨川生コン大多喜工場」である。
これは早朝の始業前の場内の様子である。
朝一番の出荷に使われる生コン車が暖機運転をしている。
生コン工場に特徴的なのは、右の写真にある斜めの巨大なパイプであろう。
このパイプの中にはベルトコンベアがあり、骨材を運び上げている。
構造体としてパイプが使われているのは、支えの構造を減らせて費用対効果が高いためであろう。
右の写真では、遥か彼方に上部出口の光が差している。
ベルトコンベアは骨材貯蔵サイロの地下から伸びてきている。
貯蔵サイロのすぐ脇には骨材を運び上げるベルトコンベアが設置されていて、砂利を運んできたダンプがベルトコンベアの根元に砂利を下す。
こちらのベルトコンベアはアングルで組まれたトラスで、創業から35年以上の歴史を感じる辺り、かなり工場萌えするポイントなのだ。
右写真が全景で、右側にダンプから落とされた骨材が中央を上っていき、右側のサイロに落とされ、さらにサイロの地下から出てきた骨材が左のパイプの中を上っていく。
最後の練り混ぜはここで行われる。ここで混ぜられた生コンはミキサー車に落とされて出荷される。
左側に見える円筒形のサイロにはセメントが入っている。
右側から上がってきた骨材は上部に蓄えられ、コンピューター制御で重量を計測しながら下に落とされ、セメント・水と共に撹拌され、ミキサーに流し込まれる。
右の写真は、生コンを積み込んでいる最中に、出荷した後の現地洗浄用の水をタンクに積み込んでいるところである。(菅沼)
基礎工事を着工して18日目。
外周、ベースのコンクリート打ちから一週間、内部立ち上がりの型枠を組んでいるところです。
開口の広い玄関引戸取り付けるため、微妙に芯ずれさせている型枠。
型枠の位置、基礎断熱区画、アンカーボルトの配置等確認して明日のコンクリート打ちに備えます。(光治)
基礎コンクリートの打設を行いました。
ベースと外周の立ち上がりを一体に打つ方法です。
ベースの外周→ベース中側→外周の立ち上がり
の順番でコンクリートを打設します。
ベースのコンクリートを先に打って後日立ち上がりを打つ方法が一般的ですが、
ベースと立ち上がりの間に継ぎ目を付けたくないという理由でこの方法を採用しています。(光治)
昨日は快晴!
「一宮の家」の基礎コンクリート施工日でした。
ちっちゃい監督は・・・・
いました!
コンクリート屋さん、
一応笑顔。
職人さんに今日も監督の熱い視線が・・
いや・・
やっぱり監督はあれが気になってます。
生コン車→重機好き
(郁子)
一宮で新築工事が始まりました。
基礎工事初日です。
建物の配置と高さを職人と打ち合わせ、遣り方が始まります。
遣り方を基準にして残土を搬出しながら根切りをしています。
砕石を敷き始めたところで初日が終わりました。(光治)
昨日、Tさんご一家のご多幸と工事の安全を祈願して地鎮祭が執り行われました。
パパの「鍬入れの儀」を神妙な面持ちで見つめるYちゃんとK君。
もうすぐK君の大好きな工事車両がいっぱいくるよ。
〈郁子〉
一宮町、来年(2014年)着工予定の敷地にて地盤調査がおこなわれました。
既存の建物を解体した直後で表層は若干荒れています。
スウェーデン式サウンディング試験で建物の4隅と中心の5点を測定をします。
ロッドは1mを超えると硬い地層に当たり、2m付近でほとんど貫入しなくなりました。
スクリューポイントに付着している土質を観察します。
表層は関東ローム、深部は締った砂礫の層、水の層は無いようです。
この敷地の地盤は許容応力度が30kN/㎡以上の良好な地盤と判定されました。(光治)