Q10 隣家と建物の配置にはどんな関係があるの?

基本的な考え方として、建物を極端に隣地側に寄せないことが大事です。隣地との距離は1.5 m程度開けるようにします。お互いに1.5 m程度開ければ風が抜けて、日射もある程度確保できます。

 

南側に庭を確保したとき、庭からは隣家の北側の面が見えることになります。北側はエアコン室外機やエコキュートのタンク、プロパンガスのガスボンベなどが設置されることが多い場所です。見た目には好ましいものではないので、板塀や植栽などで目隠しをすることを検討します。お互いのプライバシーを保護することにもなります。

 

隣家からの視線も検討します。特に隣家の地盤面が高い場合、上から覗き込まれるようなかたちになり、室内が見えやすくなります。リビングやダイニングなどの配置を検討するとともに目隠しの方法を検討するとよいでしょう

Q11 密集地に庭を設ける際の考え方は?

密集地で敷地の北側に道路がある場合、南側を開けても建物が近くに建っているのでよい環境にならない可能性があります。この場合、建物を南側に寄せて北側に庭を設け、採光に期待しない計画とすることもあります。

 

密集地で道路が西側に接している場合は注意が必要です。この場合、建物を東に寄せて西側に庭を設けると、庭に隣接したリビングが西日を直接受けます。西日は夏でも入射角度が低く、軒の出や庇などで遮ることができません。西側の庭には夏場の日射を避けるために落葉樹を植えるなどの工夫が必要です。樹木が植えられないなどやむを得ない場合、シェードなどの外部に取り付ける日射遮蔽部材が必要になります。

 

1階でよい環境が得られない場合、2階にLDKを設けてバルコニーを隣接させる方法もあります。日射の環境は整えやすくなり、よい眺めが得られる可能性もあります。

北側ががけになって下がり、南側は隣家が近接している敷地。北側の遠景を眺められるため、北を向いた間取りとなっている。
北側ががけになって下がり、南側は隣家が近接している敷地。北側の遠景を眺められるため、北を向いた間取りとなっている。