Q31 図面やパース、見積りだけ貰ってほかの工務店で建ててもよいのでしょうか?

法的なことで言うと、設計図書やそれに基づいて建てられた建築物には著作権が認められていません。

A社がつくった図面を勝手にB社で建てても法的に咎められることはありません。そう言う意味では建てても構わないということになります。現実にそういう事例も耳にします。倫理的にはよいことではないと思いますが、図面を作成した側に止める手立てはありません。

 

なお、Q30のようにプラン提案を有料としている会社は、契約に至らなかった場合、その図面はどう利用してもよいとしていることが多いです。その場合は倫理的にも問題ないと言えるでしょう。

Q32 契約時にはどんな点を確認すればよいのでしょうか?

契約の際には図面と見積書を見ながらプランの確認します。十数枚の図面を見ながら要望がすべて反映されているか細いところまで見ていきます。使っている材料や設備、コンセントやスイッチの位置、照明器具の配置なども確認します。間違っている部分や修正したい部分があれば伝えて修正してもらいます。念のため見積書と図面の内容が整合しているかも確認します。

 

この図面がこれから建てる建物の内容そのものになります。どんな小さな点でも不明な点はどんどん質問しましょう。契約した後は仕上げ材の色やコンセントの位置、照明器具の種類など軽微な変更は可能ですが、家のかたち広さ、窓の大きさや位置など構造に関わる部分は基本的には直せません。

 

使う材料については、一つひとつカタログやサンプルなどを用いて確認します。当社のホームページにある過去の事例集を見てもらって、使用する材料や設備を確認してもらうこともあります。

プランの内容に齟齬がなければ契約します。契約書と約款をもとに重要事項の説明を行います。契約書と約款は項目が多いので事前に送って見ておいてもらいます。

Q33 工事請負の契約書にはどんなことが書いてあるのでしょうか?

契約書は引き渡しまでの基本的な事項とそこから外れたときの調停の仕方が書いています。基本的な事項のなかで最も重要なのは「契約した図面の内容を契約した金額、契約した工期で実現させる」という取り決めです。

ただし、やむを得ずそれが実現できない場合がまれにあります。基本的には金銭で解決するのですが、そのときどちらが費用負担をするかといった取り決めが書かれています。

昨今はあらゆる資材が高騰しているので、発注時には見積書の金額より資材が高くなっていることがあります。そうした予期できない価格上昇などは建て主に負担してもらったり、仕様変更で調整することもできるといった一文が設けられていることが増えました。当社もそのような契約書になっています。

このほか契約時に着手金として工事費の10%~25%を支払うことや、以降の支払い回数やそのタイミングについても書かれています。つなぎ融資が必要な場合も出てきますので、住宅ローンを組んでいる銀行に相談する必要があります。