梁・大引・垂木・筋かいなどの構造躯体・横架材は曲げに強いベイマツKD材としています。
垂木には寸法によってはツーバイフォー材(SPF)を使うこともあります。
土台はヒノキKD材、柱はスギKD材としています。
胴縁などの小さな断面の材はスギを使います。
野縁などでは赤松30×40を多用します。
産地に特別なこだわりはありません。
材の強度と乾燥材であることを重視しています。
横架材に輸入材のベイマツを用いるのは曲げ強度が高いからです。
価格も含めて、適材適所を心掛けています。
構造材における集成材は無垢材と異なり強度のバラつきが無くなりますが、無垢材より価格が高くなります。
当社では2間半以上スパンを飛ばすときのみに使うようにしています。
構造材をあらわしにすることが多いので、見た目の点からも無垢材が好ましいと考えています。
新築工事においては100%プレカットを利用しています。
価格が安く加工精度も良いことがその理由です。
当社では全棟で自前の伏図を描き、プレカット工場へ加工を依頼しています。
プレカット工場のCADオペレーターは軸組のプロであり、CADシステムのチェックも入るため、加工のミスは起こり得ないところまできています。
昔は木材を自然乾燥させていたので木の癖を見ながら手で刻むことに意味がありました。
今は乾燥材が主流なので、意匠的な意味で丸太を使う場合などを除けば、手刻みに特別な利点はないと言えるでしょう。
外周の耐力壁には9㎜厚の針葉樹合板・構造用MDF・構造用準不燃耐力面材を用います。
室内の耐力壁はベイマツの筋かいを使います。
N値計算をしてなるべくホールダウン金物を減らすことがバランスの良い設計につながると考えています。
構造用面材には多くの種類があり、価格・透湿抵抗・防火認定によって使い分けています。
金物工法は採用していません。
最大の理由は柱勝ちということに違和感があるからです。力学的に考えて軸組は梁勝ちの方が自然です。
ホゾパイプで柱の向きが決まらないことにも抵抗を感じます。
これは私自身の大工経験からくるもので、現場的で直感的なものです。
その他、集成材が基本になること、構造材費における金物の価格が占める割合が高いこと、金物を付けてから運搬するため荷姿が悪く運搬費も嵩むことなどに課題を感じます。
引き抜き力に対してすべての接続部位で一定の強度が出るなどの利点はあると思います。
しかし通常の在来工法と比べて数十万円高くなるため、住宅では利点が感じられないというのが現時点での結論です。