■間取りQ&A

▶土地の状況と建物配置に関するQ&A


Q1 建物の配置に一番影響が大きい要素は?

さまざまな要素がありますが、建物の配置やアプローチの取り方においてすべての敷地に共通して影響するのが道路の位置(道路付け)です。建物配置は道路付けに左右されます。一般的な広さの宅地であれば道路に近いところに駐車場を設けるためです。

 

地方であれば2台分以上の駐車場が必要なので、ある程度広い面積を確保します。そして残った場所に建物を配置します。駐車場と建物の配置が決まると玄関の位置が決まります。玄関は出入りを楽にするために駐車場の近くに設けるのが一般的だからです。そこからさまざまなスペースの検討に入ります。

北側に駐車したいが南側の庭も最大限確保したいので縦列駐車にした例
北側に駐車したいが南側の庭も最大限確保したいので縦列駐車にした例

Q2 土地の大きさが建物配置に与える影響は?

土地の大きさは庭の取り方に影響してきます。土地が狭い場合、建物を敷地の片側に寄せて駐車場と庭を確保する必要があります。敷地がある程度広い場合は日当たりがよい南側にリビングをもってきて、十分な広さの庭が取れる配置を考えます。

 

適切な庭の広さは活用方法によります。将来的に庭で家庭菜園をしたり、DIYで家具をつくるなどの作業を行う予定がある場合は庭を広めにとっておくとよいでしょう。将来、物置や作業小屋などを設けることができます。庭に自動車が入れるように余地を残す配置計画にしておくと、物置を建てるときなどに施工がしやすくなります。

 

庭が主に子供を遊ばせるスペースであれば、巣立った後はあまり活用されない場所になります。この場合、選択する土地は必要最低限の広さに留めたほうが維持管理が楽になります。

駐車場から庭にも車両が入れるように建物の離れを決めた例
駐車場から庭にも車両が入れるように建物の離れを決めた例

Q3 土地の大きさに余裕がないときの配置はどうなる?

土地に余裕がないときは、どちらかの方向の端に建物を寄せます。寄せる方向は道路付きと敷地のかたちで決まります。敷地の短手方向が接道している奥行きのある敷地の場合、道路と反対側に建物を配置して、道路側にリビングや庭を配置することになります。敷地の長手方向が接道している場合、道路と接したまま片側に建物を寄せることになります。

 

建物を片側に寄せる場合でも隣地との距離は確保します。1.5 m程度は間隔を開けて人が楽に歩けたり風が抜けるようにすると建物周囲の環境がよくなります。また外壁などのメンテナンスのときにも足場が組めます。

前面道路から600mm高い狭小敷地の例。RCで土留めを最初に築造し、工事中も駐車場を確保する。
前面道路から600mm高い狭小敷地の例。RCで土留めを最初に築造し、工事中も駐車場を確保する。