「当社の家づくりQ&A」について補足していきます。
今回は「3.コストはどのくらい?」について。
この項ではコストの目安について述べていますが、「インフラ整備を除く」としています。
そのインフラ部分のコストについて説明します。
インフラ整備とは、主に公共の上下水道と接続するための費用です。
当社の施工エリアでは下水道はほぼ整備されておらず、合併浄化槽を設置することがほとんどです。
この場合、浄化槽で基準値以下の水質にした汚水を道路側溝や決められた河川に流します。
側溝や河川までの距離があるとそこまでの配管の費用が嵩みます。
近くに側溝などがある場合は合併浄化槽の設置だけなので最小50万円程度で済みますが、側溝などへの距離があるとトータルで150万円程度掛かることもありました。
道路側溝などの排水設備が近くに無い場合、宅地内処理となります。
土質や地下水位により採用する処理方法は異なりますが、ここにも50万円以上の費用が発生するケースがあります。
同様に上水道も引き込み費用が敷地によって変わります。
道路本管が敷地に近く、さらに砂利舗装などの場合は50万円程度で済むこともありますが、道路本管が県道の反対車線などの場合は150~200万円程度掛かることもあります。
配管ルートが公道をまたぐと埋め戻しのアスファルト舗装の範囲が広くなり、舗装復旧費だけで150万円程度掛かる、などということがありました。
この他、軟弱地盤の場合の地盤改良工事が必要となり、杭打ちなどに80万円程度かかることがあります。
土地購入時にインフラ整備分の価格を確認
このようにインフラ整備のコストは敷地条件によって大きく変わります。
建築コストというより土地購入費用の一部と考えるべき条件と考えます。
これは土地の価値とも言えるもので、土地購入の交渉の際に「上水道の引き込みの費用を考慮した値段にして欲しい」という条件を付けることも考えられます。
インフラ整備のコストを視野に入れると、古屋付きを物件の方が利点がある場合もあります。
解体費用が100万円程度掛かったとしても、少なくとも上水道は必ず引き込まれているからです。
土地購入の価格の判断において、解体費用とインフラ整備の費用を確認して比較することが必要です。
土地探しの際には、このことを頭の片隅に入れておくとよいでしょう。