劣化したサイディングをどうするか

採算を優先してメンテナンスが先延ばしにされてしまうのは、賃貸住宅に特有の傾向かもしれない。


これは外壁の補修を依頼された実例である。

このような状態で依頼されるのは珍しいことではない。

塗膜が剥がれてサイディングの地肌が見えている。

サイディングが水を吸うかどうかは、塗膜の状態に掛かっている。


サッシ上のサイディングが水を吸って色が変わっている。


崩れてしまったサイディング。

ここはまだパテが盛れるかもしれない。


ここはパテ盛りも無理だろう。

サイディングが層に分かれて崩れている。

どうすればいいのだろうか。


外壁に取り付けられている金物や配管は多い。

ここだけを見ても、補修の困難さを想像してため息が出てしまう。

 

ここまで劣化が進むと、外壁を張り被せるしか補修の方法が無いだろう。

しかし、採算が取れるのだろうか。

 

塗装でなんとか誤魔化して欲しいというのが希望なのは、よく分かる。

しかし、多額の費用を掛けた塗膜が半年で剥がれたとしてもクレームにしないと約束出来る施主がいるのだろうか。

そのような危険を冒す仕事を引き受ける塗装職がいるのだろうか。

 

少しでも長くこの世に存在するためには劣化の早期発見・早期治療が必要なのは、人間も建物も同じなのだ。(菅沼)