東京・H邸床張り

珍しく東京で出張リフォーム作業があった時の記録。

ここはマンションの上層階である。

これから床張りが行われる部屋に道具と床材が運び込まれた。

ここに至るまでの労力は、かなり費やされているという実感がある。

どこに車を停めるか、資材はどこに下ろすか、台車は使えるのか・・・

管理人さんの許可が取れたのか・・・

部屋の荷物の一時保管はどうするのか・・・

 

ここからは、カメラマンによる密着取材の写真である。

施工解説書にそのまま使えそうな写真が続く。

床材を仮置きして色味を見ているところ。

樹種はカバザクラで、施主はあえて色むらのある物を選んでいる。


無垢フローリングのため、パッキンを挟んで隙間を確保しながら張り進める。


私が使っているのは中古で買った標準圧の日立製フロアタッカーで、ステープルの肩幅が11mmなのだが、最近の主流は高圧の4mmなのだそうだ。


誰かが撮ってくれない限り目にすることの無い、自分の作業姿勢。


だいぶ張り進んで、道具と材料を移動した後の様子。

作業対象の部屋に材料を置くしかなく、切断作業も同じ部屋で行うのは高層マンションのリフォームならではの困難さがある。


床材の感触を思い出す。


既存の照明器具の電源を利用してライティングレールを増設している様子。


床を張り終わった部屋。

照明も増えて、明るくなった。


面白い模様の床材。


ランバーコアで組んだワードローブ。

スライド丁番で扉が開閉する。

私が作った家具としては最大級の大きさである。


このように大きな家具を置いてみると、建物の水平・垂直が保たれているかどうかが分かる。

木造住宅では家が古くなるほど床の沈みや壁の傾きが多くなる傾向にある。このマンションのRC躯体は正確な水平・垂直が出て、木造住宅との違いを感じた。


隣室との界壁は、躯体剥き出しの側にはコンクリートアンカーの穴を開けてはならず、接着剤や両面テープに頼るしかない。

反対側はおそらくGLボンドによる石膏ボード下地で、ビスが効くような下地が無く、何かを固定するにはボードアンカーを打ち込むことになる。

どちらにしても重いものは固定できない。

何が出来るかは、事前調査で検討する必要がある。


 

これらの作業を一日で行うには量が多く、終わったときには深夜になっていた。(菅沼)