家の断熱性能・気密性能を上げると家の中の空気が汚れ、健康被害の原因となります。
そのため平成15年にシックハウス法が施行され、24時間換気が義務化されました。
換気量は0.5回/h。家中の空気を2時間に1回入れ替える量となります。
この法に従い24時間換気扇を回しっ放しにすると、外気温と室内の温度差が大きい場合は大変なエネルギーのロスとなってしまいます。
今回導入の換気システムはシックハウス法を満たすことの他に2つの目的を持たせています。
「省エネ性能の向上」と「ヒートショックの緩和」です。
複雑で大げさな装置に見えますが、仕組みは簡単で、汚れた空気を各室からアルミダクトでチャンバーに集め、熱交換を行ってから排気します。新鮮な外気は熱交換器で熱を受け取り、床下に供給されます。
各部屋、便所、廊下など家中どこでも大体同じ気温になるよう計画的に空気と熱を循環させます。
チャンバー・熱交換器は夏も冬も比較的温度差の少ない床下に設置することで効率を上げています。
排気する室内の汚れた空気と取入れる新鮮な外気を熱交換する装置。
全熱交換機。
熱(顕熱)だけでなく、湿気(潜熱)も交換します。
熱交換率は90%で換気によるエネルギーのロスを抑えます。
窓を閉めて冷暖房が必要な時は給気と排気を同時に行い、春や秋、夏の夜など外気との温度差が少ないときは排気のみに切り替わり、装置の消費電力を抑えています。
毎年1万人以上、ヒートショックが原因で亡くなられているそうです。
耐震性に関する法律は改正に改正が重ねられ充実していますが、温熱環境に関しては各施工会社や設計者の判断に委ねられているのが現状です。省エネ性能と同時に安全な温熱環境の計画の必要性を感じます。
今後もこういった換気装置は積極的に提案していこうと思っています。(光治)
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