鴨井と柱の様子。
自然乾燥無垢材の杉の柱は、40度の高湿度空気による下ごしらえの後、桟積みされて自然乾燥される。この下ごしらえは乾燥割れを極力減らすための工夫ということである。
しかしながら、建ててからの乾燥収縮による割れは完全には回避出来ない。
写真のように若干の割れが入るのは自然の木なら仕方のないことである。
こうした柱に鴨居を密着させるためには「ひかり方」や「木殺し」などの大工技術が必要になる。鴨居ジャッキを使って柱間をほんの少し広げて鴨居を入れ、ジャッキを抜いて密着させることも考えられる。床柱などに鴨居が当たる場合では、絶対に隙間を空けないように鴨居の形に柱を掘り込む。
3枚目は筋違いと間柱の様子である。
これは造作材ではないが、このような隠れる部材に対しての加工精度の高さは、大工の自己品質基準を物語っているように思うのである。(菅沼)
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