カラーベスト

非常に多くの住宅に採用されているカラーベスト(人工スレート)。

築35年程度が経ったその屋根の様子。

この六寸勾配の屋根は、塗装をした直後の様子である。

(これは他社の施工現場である。当事務所では塗装は薦めておらず、板金被せの改修を推奨している。)

遠目から見ても、カラーベストが波打っているのが分かる。

近寄ると、一枚一枚がバラバラに変形していて、重なりに隙間がある。

 

カラーベストの塗装をしたら雨が漏った、という話はnetでも数多く検索できる。

この状態なら、いわゆる塗膜の「縁切り」作業は不要だろう。

 

メーカーの製品説明書によると、経年劣化による機能の低下は無いとのことである。

そうであれば、塗装はあくまで見栄えの維持のために行われることになる。

 

この年代のカラーベストはアスベストを間違いなく含有している。

(そもそも「カラーアスベストスレート」が語源なのだそうだ。)

レベルは3(非飛散性)だが、廃棄するには多額の費用が発生する。

 

建物の寿命と照らし合わせて、どの程度の改修をすべきか、判断にはさまざまな要因が作用する。(菅沼)