こちらの屋根は、上り梁に勾配なりに転ばせた母屋をダボで固定した方法である。
勾配なりの母屋に一寸五分角の垂木を固定している。
なぜこのような方法を採ったかというと、ケラバの厚みを薄くして軽快な感じを出したいという意図が理由である。
ケラバには破風板が通常は取り付けられる。この破風板はケラバに出てくる母屋の上端に雨水が入り込んでくるの防ぐ役目がある。母屋の木口を雨水から守る働きもあるが、木口全体を隠すとなると破風板の幅は大変広い物となる。
かつては破風板が屋根の重厚感を出す見せ所でもあったから、幅の広いものが使われた。
だが今時の家には、そのような破風板が必ずしもしっくり来るとは言えない。
これは設計者の感覚的な問題であり、ただそれだけのことなのだが、ここに頭を使っているのだ。
ケラバを薄く見せるために、なんとか構造的に無理なく、簡単に作れるやり方を模索している。(菅沼)
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