3年くらい前に大工教室でお会いしたI氏から「隅木と配付垂木の大工教室をして欲しい」と連絡を受けて、久し振りに行なった大工教室の様子の記録。
まず復習を兼ねて、桁と小屋束と母屋の刻みから。
実は、私も実戦で隅木の墨付けをしたことがない。
かろうじて、刻んだ経験だけがある。
隅木の墨付けは訓練校の授業だけであるという事実をカミングアウトして、規矩術の本を見ながら始めてみると、「出中・本中・入中」「落掛り勾配は平の半勾配」などということを思い出し始めた。
そういえば、規矩術の授業ではやり方だけを教わったのだが、その意味が何なのか分からなかったということを思い出した。
「こうすればこうなる」という「定理」の連続で、意味は分からないのだが正しい結果だけが出てくる。
隅木に比べれば、配付垂木の墨は実感を伴って理解出来る範囲内にある。
よく見れば隙間が結構あるのだが、一応形になってほっとしたところ。
隅木と捻組みは規矩術の授業で一番面白かった。
これぞ大工という感じなのだ。
プレカット時代に育った若い大工にとって、寄棟の増築などという仕事が来ると困難を感じるのではないだろうか。(菅沼)
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