建築業界では断熱性や耐震性を研究している人はたくさんいますが、建材の耐久性や耐候性を研究している人はほとんどいません。
材料としての劣化試験は開発段階で受けているでしょう。しかし建築物に使用されてからの、部位としての劣化は、業界を通じてのまとまった知識が乏しい、というのが実感です。
2000年に施行された品確法の性能表示制度では「劣化の軽減」という項目がありますが、内容は貧相なもので、現実的とは言えません。
それは、写真のような破風板などの細かいところに触れていないからです。
このような破風板の劣化は、運が悪ければ建物に致命的なダメージを与えます。
写真は板の継ぎ目が腐って穴が開いている様子です。
板の張り方に問題があって、塗装の防水性が無くなれば水が入り、乾きづらい環境であればこのように腐ります。
このケース、非常に多く見られます。
板の腐りぐあいを触ったり、叩いたりして強度を確認します。
改修の仕方は、板を交換して塗装するのではまた同じことを繰り返すので、解体をせずにガルバリウム鋼板を被せるという板金工事での対応を採りました。(光治)
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