既存建築物の解体が終わると、次にすることは地盤調査である。
この地盤調査は、地耐力(地盤の強度)の測定と沈下の予測が目的である。
この調査は専用の測定機器を使用することとデータ解析が必要なことから、専門の業者に依頼する。
地盤調査を行うことは法的な義務である。
具体的には、
『 建築基準法施行令 第2節 構造部材 第38条 』
『 国土交通省 告示 平成12 建告1347号 』
の2つで決められている。
以下、主に木造住宅に関係する内容を抜粋する。
施行令 第38条 3
建築物の基礎の構造は、建築物の構造、形態及び地盤の状況を考慮して国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものとしなければならない。(以下省略)
平成12建告1347号
建築基準法施行令第38条第3項及び第4項の規定に基づき、建築物の構造方法及び構造計算の基準を次のように定める。
第1
令第38条第3項に規定する建築物の基礎の構造は(中略)、地盤の長期に生ずる力に対する許容応力度(改良された地盤にあっては、改良後の許容応力度とする。以下同じ。)が1㎡につき20kN未満の場合にあっては基礎ぐいを用いた構造と、20kN/㎡以上30kN未満の場合にあっては基礎ぐいを用いた構造またはべた基礎と、30kN/㎡以上の場合にあっては基礎ぐいを用いた構造、べた基礎又は布基礎としなければならない。(以下省略)
つまり、地盤の許容応力度が分からないままでは基礎の設計は出来ないから、地盤調査は義務となる。
木造住宅の地盤調査には、費用の掛からない簡便な方法が用いられる。
写真は、「表面波探査法」 という方法で調査を行なっている様子である。
表土に含まれるガラが多いというのが選択の理由となっている。
地盤の許容応力度を求めるための地盤調査の方法は、『 平成13国交告1113号 』 で10種類が定められている。
この表面波探査法は、上記告示の「第1 六 物理探査」に該当する。
もうひとつ、多く採用される方法は「スウェーデン式サウンディング」(SS試験)である。
この調査方法は同告示の「第1 三 静的貫入試験」に該当する。
SS試験で許容応力度を求める計算式は、同告示の「第2 (3)」に定められている。
それぞれの方法は得意・不得意の土質があり、状況に応じて使い分ける。(菅沼)
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