4年前の2016年に竣工した「おゆ野の家」の現在の様子です。
2階の外壁はメンテの必要のないガルバリウム鋼板、1階の木の外壁は塀の横板と同時に昨年塗装をしたそうです。
1階なら足場を立てる必要がないので「外壁を木にしたいけれど、メンテをどうしよう」と迷われている方に
こちらの張り分けをご提案しています。
10月に竣工した「おゆみ野の家」の外構工事が終わったと施主から連絡を受け
早速撮影に行きました。
杉板の塗装と取付けは施主施工です。
道路側は隙間を狭く、隣地側は板の間隔を広くとり風通しをよくしています。
製作したダイニングテーブルはキッチン側に引出し等収納があります。
出窓ベンチが活躍しているそうです。気持ちのいいリビングで長居してしまいました。森山
アルミ製の持ち出しバルコニーに杉板を張る記録。
高さ調整付きの7尺脚立で調整脚を目いっぱい出してちょうど手が届く高さだ。
杉板は15×90、外壁と同じ塗料で予め塗装をしておく。
いきなり杉板をアルミ支柱に留め付けるのではなく、アルミ支柱側から下地になる45×45の米松をビスで固定する。
固定はステンレス製の90mm木工ビスを使う方法とした。
このビスはΦ4.5なので、バルコニーのアルミの支柱にドリルでΦ5の穴を開ける。
今回はビスキャップと専用のワッシャを用意した。
塗装済み米松45角を固定したところ。
あまり強く締め付けると支柱が変形するから、適当なところでやめる。
ビスキャップを付けてみたが、室内用なので今後の劣化の進み具合は分からない。
杉板を38mmステンレスビスで固定していく。
完成した様子。
外構の塀と合わせれば、一体感のある佇まいになるだろう。(菅沼)
施主のDIYによる塗装仕上げの記録。
出窓地板の塗装準備を始める施主。
上に見えるのはキッチンと居間の間にある下がり壁に設けられた棚。
このパイン集成材の棚を先に塗装した。
塗料は、この家に採用されているOK-DEPOTの内部建具に色も合わせて、OK-DEPOTのロハスオイルである。
出窓の地板はJパネル(杉)である。
塗装前に埃をしっかり取り除く。
壁はDIYの漆喰塗りの前で、石膏ボードのままになっている。
塗装することで部屋の雰囲気が変わっていくのが分かる。(菅沼)
外壁に取り付ける部品が全て付いたら、外部足場からの最後の工程はシーリングである。
マスキングテープの継手の様子。
サッシ周り、バルコニーの金具回り、母屋の上端と軒天井、などが主な施工対象部位である。
変性シリコンのハマタイト・スーパーⅡと、Φ10のバックアップ材。
半日現場を離れて戻ったら、すべて完了していた。
後は足場の解体を行うばかりとなった。(菅沼)
施主による漆喰塗りDIYが進行中の様子。
仕事が休みの日に行われている。
今は玄関を施工中。
ここで材料も練っている。
かなり腕が上達していて、体の動きが作業に慣れたのが分かる。
ここは最初に塗り終えた部屋。
もう一度最初に戻ってこの部屋を塗り直したい、というのが施主の感想。
2階は全て塗り終わっている。
階段も塗り終えた。
今塗っている玄関が終わったら、最後のLDKに入る。(菅沼)
部屋の中で天井の高さが変わる場合の野縁の様子。
居間の中央の天井を上げている。
この形状は折り上げ天井などと呼ばれている。
4本ある梁成300の間に天井を張り、中2本の梁を見せる納まりになっている。
折り上げている隅の様子。
ボードの継手には2本分の野縁が必要だから、ボード割は最初に決まっていなければならない。(菅沼)
ドア下に沓摺がない最近の建具枠では、廊下を介して隣の部屋と床材がつながっていることも珍しくない。
間に壁がある2部屋に同じフローリングを廊下で跨いで張る場合、どうやって実(さね)を一致させるのか。
左の部屋と右の部屋は、手前の廊下でフローリングがつながる。
この場合、左の部屋の掃き出しサッシから張り始め、廊下の1枚目まで張り進める。
右の部屋は廊下から張り始める。
写真では、すでに張られている廊下の1枚目から1枚だけ同じ向きで戻り、女木側の本実をフロアネイルで留めている。
ここで実の向きを変えるため、次のフローリングの女木側を突き付けて床用接着剤で固定する。
実の向きが入れ替わった後は、壁まで普通に張り進む。
接着剤が強力だからこの方法が可能になる。
どうしてもフロアネイルで固定する必要があれば、雇い実(やといざね)を使う。
女木同士を突き付けて釘が打てないため、接着剤が固まるまでの間だけ押さえ付けている治具。
無垢材のフローリングは微妙に寸法が異なることもあり、張り始めが一致していても、別々に張った場合に20枚先で実が一致することは稀だろう。
こうした施工の工夫は完成してしまえば分からなくなる。(菅沼)
ガス管埋設の記録。
このようなポリエチレン管が使われている。
ここのガスメーターは外構のRC擁壁に固定される。
そこでガスの職方は、後で位置の微妙な調整が可能なように擁壁に平行に配管する配慮をしてくれた。
配管は擁壁の段取りの前に行うしかない。
型枠を組む時には配管の上部を外している。
型枠を外し、ガス管が固定された。(菅沼)
初めて採用した樹脂サッシの記録。
施主からの断熱強化の要望があり、採用したのがこのYKKap製APW330である。
ガラスはアルゴンガス入りペアガラスとしている。
真空トリプルガラスも検討したが、価格差が大き過ぎて見送られた。
APWシリーズは工場から完成品が直送される。
ガラスが樹脂枠に直接接着されているためビードが無く、カビが発生しにくいが、ガラスだけの交換は出来ない。
サッシに張られたラベル。
PVCの文字がある。
数多く採用してきたアルミ樹脂複合サッシのAPW310と異なるのは、下端の空き寸法だ。
今までは40mmと覚えておけばよかったが、このAPW330は30mmである。
4周とも同寸法となった。(菅沼)
腰掛けることのできる出窓の造作の記録。
30×105の間柱材とダイライトを使って構成された出窓の様子。
このような出窓は羽柄材のプレカットで対応するのが難しい。
構造は大工職による現場設計で、この状態までの製作に要した時間は丸一日だった。
垂直方向の強度は主にこの側面の構造用面材に拠っている。
断熱材を充填した後、構造用合板で内側からも補強する。
シャッター付き引違サッシなので、シャッターボックスが取り付く小壁が必要となる。
製作工程を見ていないのだが、側面を張り出した後に正面の下地を作ったことが分かる。(菅沼)
高性能グラスウール200mmを使ってどのように屋根断熱を行うか。
これにはいろいろな方法が考えられるが、最も作業効率の良い方法を模索している。
ここでは、垂木(米松)45×105の下端に2’×4’(38×90、SPF)をスペーサーとして取り付け、その下端に野縁(WW)45×45を取り付けて、垂木間の深さの合計235mmとし、200mmの断熱材と35mmの通気層をとることを目指した。
200mm高性能グラスウール断熱材を詰め込み、ザバーン(デュポン製)を張った様子。
この方法だと木材の材積は比較的少ないが、ビスの本数は多くなる。(菅沼)
先日の上棟作業では、電柱を亘る光通信ケーブルと仮設外部足場が近く、さらにその間にクレーンを設置して材料を吊り上げなければならなかった。
そのため、どのような動きになるかを図面で確認した。
車両は10t吊・6段ブームのラフテレーンクレーン。
これのdxfCADデータをメーカーからダウンロードして、JWWcadで家の断面図に重ねてみた。
光ケーブルと足場最前面の位置を書き込むと、ブームを伸縮させながら全部の範囲をカバーできそうである。
NTTが管理する光ケーブルに防護管を設置すべきかどうかの判断が必要でこの図面を書いた。
防護管設置の価格を聞くと、決して安くはない。しかも必要なのは上棟の1日だけだ。
結論としては、防護管はやらなかった。
(もし設置する場合は、作業日は申請から1週間程度後になる。)
さらに、クレーンに近くなる外部仮設足場の上部に2mの建地を使い、万一ブームが引っかかるときには上部を解体できるように準備した。
通常、6mの高さの足場を組む場合は、最初に2mの建地を地面に並べるため、上に4mの建地が載ることになる。これでは容易に解体が出来ない。
実際には足場の解体を行うことはなかった。
実際の作業がどうだったかクレーンのオペレーターに聞くと、やはりブームを頻繁に伸縮させながら作業をしたとのことだった。(菅沼)
「おゆみ野の家」の上棟が12日に行われました。
雨が降ったり止んだりという天候でした。
上棟では多くの職方が集まってきます。
段取りの変更がし辛いため、大荒れでなければ上棟作業は行います。
垂木が固定されて、野地板が棟木まで張り上がってくるまでの約1時間ですが、幣串を飾りました。
野地板がもうじき張り終わります。
ルーフィングまで敷いて、この日の作業が終わりました。(森山)
都市部での工事が始まった。
着工前の仮設物の設置の様子。
仮設トイレは他に置く場所がなく、駐車場になる予定の場所に設置した。
工事の進行に併せて移動することになる。
水道メーター用のボックスと仮設水道用立水栓を設置する。
納付金を納めてから仮設メーターが取り付けられる。
汚水桝(丸)と雨水桝(四角)は既に設置されている。
汚水桝はL型側溝の天端から30mm上がっていてちょうど良いのだが、雨水桝は50mm下がっていた。この桝は移動が容易に出来ないため、土間コンクリートで嵩上げする予定である。
まずは遣り方。
建物の外壁を隣地から1300mm程度離した配置としている。
敷地に余裕が無いため、根切りした残土はすぐに場外へ搬出しなければ工事が進められない。
根切りと床付けの様子。
造成されてから年数が経っているせいか、地層が掻き乱されたような感じは無い。(菅沼)
先日「おゆみ野の家」の地鎮祭が執り行われました。
土地探し中だったAさんご夫妻が初めて事務所を訪ねてきたのが2012年でした。
あれから4年近く経ち、自宅建設の仕事を頂いた時は本当にうれしく思いました。
いよいよ来週から着工です。(森山)